アナログ描画についての考察を記録しておきます。

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いよいよ作画に入っていきます。アナデジ併用でまいります。
そして、このアナログウェイブ、のほほんと楽しんでるだけもよいのですが、
それなりに時間も費やすので勿体無い気がしまして。
この後のデジ理論が本格的に入ってくる前に整理してココに記録しておくものでござる(ござる?

で、アナデジの違いは、つまるところ「完成イメージの構築方法の差」では、ないかと考えます。
この部分をクリアした人(=自前で、描画イメージを持つ方法論がある人)は多分、
アナ/デジに迷わなくなると思うので、初心者的な部分に絞りました。長くなりそうなので、
先に結論書いて、後に考察を。文章言いきり型でサクサク行きますね。

では、結論から。初心者に関して言えば、
アナログは、描こうと思ってるものがある時に。
デジは、何描いていいか解らないけど描きたいときに、向いてる
」と。

以降、考察。久しぶりに追記形式。

れっつらごー。
 
 

 

 
では。考察ポイントは3つ。

まずその「絵の描き出し(立ち上げ)」だが、自分の場合、アナデジで圧倒的に違う。
アナログは、描きたくなってから、描く。
「描きたくなる」のは、電車に乗ってるとき、掃除をしてるとき、他の作業をしてるとき。
いろんな時に「こういう絵を描きたいな」ってなり、脳内でかなり完成して描きはじめる事が多い。
その妄想が例え一瞬だとしても、イメージが手より先行していることは間違いない。

対して、デジは、机についてから考えても、充分間に合う。下手したらイメージ無くても描けちゃう。
とりあえず可愛い顔描いて、大きなおっぱい、それっぽい衣装。
拡大、移動も織り交ぜて、飽きた所、終わった所がゴール。

次に、絵の「こね方」。自分の脳内は、それほどメモリが多くない。
だから、イメージがたくさん出てくると、脳の外に出さないと、全てを吟味しきれない。

1枚の絵で、こういうポーズ?こういう服は?と。
そうすると、アナログの場合は、あっという間に紙が真っ黒。なんなんだか、解らなくなる。
紙を増やすのも良いが、作業机のキャパもある。デジはこのあたり、レイヤー概念で、最強に便利。

そして3つめ。「ツールの解りやすさ」。アナログで使用しているペンや紙は、
その「ツール能力の限界」がある程度解りやすい。
黒インクで、鮮やかな黄色いレモンを描くには、それなりのスキルがいる。
なので、こっちが諦めて、そのツールの限界と自分の実力の折衷案で描こうとする。
これも出来上がりが想像しやすいことに繋がる。

しかし、デジは、ツールの限界がまるで解らない上に、たとえばペンツールの限界を越えたあたりで
こんどはグラデーションツールで同じことが出来るとか、性能を把握しきれない。
煮る蒸す焼くが出来る高価なスチームオーブンを、コンビニ弁当の温めにのみ使ってるような感じ。
コレがちょっと悔しいのだ。

ここ。この3つ目の「ツールの限界が見えない」は、少し落とし穴もある。
多分、多くのデジ派がはまると思うZE。
というのは、「絵を描くこと」と「ツールのオペレーション」を混同してしまうこと。
へっぼい絵でも、塗りを「どこかで見たような塗り」にすると、なんとなく安心できる。
ましてや、目が肥えてないとそれを「上手い」とか思っちゃう。

そこで一番恐ろしいのはスポイト機能。
二次創作、アニメ塗りの場合、原画から色を採ってしまえばかなり高確率でなんとかなってしまう。
ましてやモチーフはプロのキャラデザだ。
下手な新人アニメーターが描いてもキマるようなデザインになってる。

ココで満足しちゃうと、自分のようにクソ遠回り(イメージレスで描く癖がつく=絵貯金が溜まらない)を
することになる。ただ、モチベーション維持には最適であることは明記しておく。

話がそれた。つまり、「ゴールが見えているとき」には、アナログの方が早いだろうと。
なぜなら、ツールのオペレーションが、自分の手だけであれば、障害がすくないだろうから。
まっすぐ線をひけないのはつまり、己のレベルがそれであるということ。

といいつつ、デジに慣れてくると、「デジでのゴール」が見えるようになる。
ツール頼りではあるが、きれいな線もひけるようになる。
こうなったらそもそも、「アナデジどっちがいい?」などと思わないし、それで生きていけるなら問題ないだろう。

ここは「デジを使用してのゴールが見える」という領域なので、今回の「イメージの有無」の考察の範疇外とする。
描くのではなく、ソフトに描かせてもらってるのだから、精神的な頭打ちがすぐに来るのは、想像できるだろうが。

ついでに。「それっぽい絵」にするには、おおまかに、注意すべき3要素と、上達の正体とやらを書きとめておく。
これは自分の経験上、思い知らされたことだ。

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1:構図。4隅のひとつをあける、もしくは密度を下げると、キマる。いわゆる三分割法。

2:顔。キャラ絵は顔がイノチだそうだ。自分はへんたいエロのみのうちは女キャラの顔にあまり興味がなかったので、プリキュアに行ってココはものすごくつまづいた。キャラ絵なら、具体的には早い段階で瞳に色を入れて、可愛くならなければ次へ進まないぐらいの勢い。

3:フェチ。顔ともうひとつ、それをしのぐぐらいのフェチが描きこまれてると良い。いや、べきだ。自分の場合ほとんどがおっぱいになるが、足でも背中でも、自分が大好きという物を絵の中で「言う」ことが自分にとって「絵を描くこと」そのものである。見るほうがむしろ興味があるところはそこなのだ。「おじょうず~」という感想は「つまんない絵だね」と同義と、心に刻んでいる。

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そして。絵の上達とは、自分の絵の貯金=細部、全部における完成イメージ貯金をコツコツ貯めていくことだ。イメージレスでデジ頼りになると、ここがびっくりするほど溜まらない。穴の開いた桶だ。だから、落書きでもいいからアナログで、この貯金の脳を耕しておくべきだ、というのが自論なうである。

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以上。久しぶりに長い文章をうったら、語彙の消滅に驚いている。
よく小説など書けたなおれわ。誤字だらけだけど。
またコレもいつか読み返して、自分の痛さにもんどりうつことになると思うが、
今を記録するとは、常にそう言うものだ。

冒険は終わらない。
ディズニーシーのインディジョーンズ出たとこに書いてあるとおりだ(だから?
  
(了)