高石はバカ犬なので、同じところをぐるぐる回ります。犬を飼ったことがある人はご存知かもしれませんが、自分の尻尾を追っかけて回るやつです。
きっかけは(なんのだ?)、おとといの、地元のお絵描きサークルの方の質問でした。「背景が上手く描けない」。キャラを真ん中に描いて、さあ、空白をどうしよう、ってなるやつです。あるある。わかるわかる。
そこで、有志が答えてくれるのですが、そこでちょっと、ん?ってなりました。みんな「技法」や「手段」を言うんです。透視図法の知識とか、ピクシブで無料背景持ってこいとか。
ははぁ、なるほど。じつはこの質問者、絵はすごく上手なんです。目的が見えれば、描けてしまう人です。ということは、「自分が何を描きたいのか解らない」が質問の本質ですね。
でも、回答側はそこまで思考が踏み込めないから、クソリプをしてしまう。悩んでいる女性への男のアドバイスとおなじですね。透視図法で背景を描け、は、お昼ご飯何食べようかっていう人に、生姜を入れると美味しくなるよって言ってるようなものです。何に入れるんだ。
バカ犬はここで、気づきましたね。「自分は、何があれば、面白いエロマンガを描けるのか?」なんでも俺語りに持っていけるスキル役立ちまくりですね。で、何があれば良いか。それは、「ネームというか、下書きの更に雑な、ネームのネームみたいなもの」があれば、その後は作画という楽しい時間だよということです。
つまり、前述の質問者のように「この絵をどうしたいのか」、「どんなエロ漫画を描きたいのか」が、高石は明確化されてないんです。
なので、この、躓(つまず)いていた約半年間(なにやってんだ)の資料を見返しました。まぁ、でるわでるわ、「びっくり設定」の数々。ここ、本来は「どエロい絵の数々」にしなきゃいけない訳ですよ。目的が解らないのに、いろんな情報を仕入れている。
要するにバカ石は、「オレ様スーパーファンタジー世界」を描きたがってる訳です。誰得設定集。しかもちょっと前には「それでいいんだ!」とか開き直ってる。まぁ、無料で出す分には、モノ好きな方が読んで下さるかもしれませんが、商品としては難しい。生きて行かねばならぬのです。
そうよ、「商品」とは、「交換が効くもの」でなくてはいけないんです。だいたいの場合、おかね。例えば、2年乗った車は、多少ガタがあっても、中古車として商品になりますが、2年乗ってるうちにオーナーの趣味のステッカーべたべた、謎の機材とか積んで見た目も謎になってしまった中古車は「交換が効かない」です。だって、何と交換します?重量税も駐車場代も払わないといけないのに、タダでもいらないでしょ。つまりこれは、商品ではありません。資本主義の世の中に生きてるから。
だから、オレ様ファンタジー本は、超超ニッチな人たち、世界で4人ぐらいの間では取引可能かもしれませんが、その4人を探し当てるのが事実上不可能のなので商品にはなりません。抜けるエロ本として交換可能なものとしないと、商品にならないんです。
ここで、問題は「商品をつくるには、なにがあれば自分は前に進めるか」です。答えはやっぱり同じ、「ネームですよねー」なんですけど、設問に「商品を作るには」が入れられます。
とまあ、文章にすると、回りくどい割に結構簡単な事なんですが、渦中にあるというのはこれがみえんのですよ。そして今回、もうひとつ、大発見がありました。こいつあすげえすよ
もし、創作を行われているライバルがいたら、ここから先は読まないでください。絵が上手い人は特に読まないでくださいオレが売れなくなるから。フフン
それは、「ジグザグ構築」と名付けた作戦です。
例えば「胸の大きな子をなんとなく描く」これ、自分がいつもこのブログでやってる事です。いつも、脳をなるべく使いたくない(ヘロヘロで使えない)ので、これ以上、挿絵では踏み込んでません。上の挿絵の状態がそれです。
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そして、今の時点では、「絵側」にいます。
それを、「文章サイド」にいったん、振ります。
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1枚イラストなどの文字を使わない媒体の人も、テキストかなんかで、いったん書き出してみて欲しいんですけど、「このイラストを見て、ムラッとした(エロじゃなきゃ、なんか思った)事」を書くんです。
絵とは、自分の意識下におけるリビドーや、偶然の作用による描画などで、自分のコントロール外にある要素を含んでいる筈で、それを利用しようという訳です。
自分も実際にやってみる(↑の絵見て、やる)。すると、
「シャツの、胸の下の空間いいな」「胸元いいな」「細い腕いいな」「首筋いいな」「シャツのしたから手入れたいな」「こっち向いてほしいな」
的になりました。高石は自分の絵で萌えられるので、これはお手の物です。
で、それらの欲求を絵でかなえようとするとこうなります。
くはぁ!!この子の作品描きたい!!!
単純にエロくしただけだろって? まぁ、そうなんですけど、問題はこの「描き手のリビドー増幅ステップ」なんですよ。これを描いてる時の楽しさたるや。楽しいことは続けられる。最強です。
平常時から一気にここまでジャンプ出来るときは良いのですが、忙しいときとか他にやることだらけの時は、きちんと理論化しないと、こうなっちゃう(←The半年フリーズ)んです。
このあとまた、この子はなにやってるのか、っていう文章に戻れば
「触手に仕方なくからめとられているのかな」「なんでこんな薄着なんだ?そうか、家なのか!家にいてヤってるのか!」「あの目は、本当は悪い事してるって解ってるんだな!」
って、「じゃあ部屋描いたろ!」的に。うわー!えっろ!!もう、ここまでくればあとは走り出すだけですずきゅんどきゅん(先週に引き続き)(ふっふー)
で。じつはここでようやくスタートな訳です。
「この子が家で触手と戯れている」「悪いことしているのは解っている」目的が明確に見えています。
ここまでくれば、触手と女の子のお話をつくるのは、高石にとっては、カレーを作るよりも、ボルシチを、肉じゃがを、回鍋肉を作るよりも簡単です。というか、その虚構こそ我(われ)です。
(……え?そこがわかんない?……うん、そこはね、おじさん迷ってないから、また迷ったら言語化してみるよ……それはほんと、簡単にでてくるのごめんね)
「意識的に、絵と文章の行き来を行い、作品を構築する」
もったいぶりましたが、作り手の皆さん、普通にやってる事かもです。実は高石もずっとやってたと思うんですが、やっと言語化できました。もう、転ばない。
おじさん転ばない。