デジと、製本の経費考察

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暑い中にも、少し秋風を感じる今日この頃です。高石です。新刊たくさん買ってくださってありがとうございます。DLさんでは、久しぶりに王冠ももらえました。( ゚∀゚)ノ
いっとき銀行の残高が3000円未満になってたので、少し助かりました(まじか)。もう塩パスタは嫌なの……!!!
んで。その、お金のお話。あまり創作でお金のお話をするのはどうかと思うのですが、らばたはお金の為にやってる活動です。今日はこのあたりのお話も含めて、ちゃんと書きのこそうと思います。つまんないかな。でも書く。
では、新刊で売れてる方の「乳首蟲」の収益について記録します。現在のおおよそのDLさんFANZAさん合計の販売本数は、1000本ぐらいです。対して、製本版の方は、とらさんメロンさんで400冊ぐらい。
もともとデジ出身なので、趣向などもデジナイズどされておりますゆえ、このあたりはそういう数字かなと思います。製本版の方はもっときれいな絵が売れる気がします。
さて、利益率です。デジは、600円で売ると、324円の利益になります。業者さんとほぼ折半。宣伝してもらってますからね。こんなもんではないかしらと思います。
対して、製本は、600円売りの場合、業者に180円納めますから、420円の利益です。
利益率そのものは、本の方が良いんです。
ただ、製本は経費をみてみると、面白いです。「コミケで出した分の残りを委託する」パターンとして……
1:およそ、「製本原価」を、1冊200円とします。
2:「送料」が、印刷所から会場にいくのに、3000円。およそ1冊につき20円負担とします。
3:「イベントへの申し込み料」が1万円、500冊持ち込んだとして、こちらも1冊につき20円のっかります。
4:同じように、委託業者への「搬入の運賃」などを1冊につき、10円負担してもらいます。
このあと、買い手の方から見たら発送料がかかりますが、そこも入れるとややこしくなるので、今回は割愛。
とすると、製本版の経費は200+20+20+10で、250円。これは、大量製本のリスクを負った上の数字で、在庫が怖いので冊数を絞れば、製本原価はもっと上がります。
で、販売価格の600円から、まずこの制作経費を引いて450円。
さらに委託業者のロイヤリティを180円引くと、利益は270円となります。
つまり、「通販業者さんで600円の本が1冊売れると、サークルには270円の利益が出ます」
例にすると、「1日8時間、×20日で制作したとして、400冊売れました」と。時給換算だと670円です。160時間制作(これは同人一人制作で、それなりに速い方だと思います)で、今話題の最低賃金の1000円にするには、600冊売らないといけません。
結論です。
「とらのあなで600冊売れる本を作れれば、最低賃金に乗ります」
ということになります。
600という数字がどういうものなのか。サークルが1000あったら、600に載せられるサークルは、おそらく100サークル未満じゃないかなぁと思います。しかもこれで最低賃金。技術職でもなんでもないです。
つまり、「製本だけなら」自分は、週5フルタイムでコンビニバイトしてるよりもお金を得られていないことになります。そりゃ貯金もなくなります。
でも、今回、食いつなげたのはDL販売で皆さん買って頂けたからです。DL販売の計算だと160時間制作なら時給2000円ぐらいにはなります。
もちろん、これは今回ぐらい「売れる」事が大前提で、多くの場合爆死しますので、全体で見れば実質この30%程度だと思います。結局時給700円。
わかりますでしょうか。ウチは、DL販売のおかげで、製本できてる、状態です。
これ、制作の方として、「製本に合わせて、DLを出す」やり方はいかんのじゃないかなと思います。「DLの為に作って、そのオマケで製本を出す」が正解のような気がします。
でも、製本版には、スーパーメリットがあります。それは「型が決まっている」ということで。製本版の漫画が動かなくても、誰も文句言わない。でも、CGはゲームになってたり声がついてたり。絵を描く以外の作業がすごく多いんです。
このあたりです。「漫画のDL版」だから、文句言われない。でも、デジタル用に作って、何にもギミックが無いのは、どーなのかなって思います。それに、上記の「数字」は動かしがたい事実。
なので、次は、「DL版の利用者の方に、多めにスタンスを取って作ってみよう」と考えています。
以上でした!