CGから始めるヒトの落とし穴

 絵を描くことは多分好きだと思う。でも、絵の具や色鉛筆を持ってるわけではない、というヒトがCGを始めるには、悪くない環境が現在日本ネット界では整っている。そこで、世間に疲れたオーバー30がCGを始めようと思った時に落ちる落とし穴とかをここでは書き残している。
 
 なかでも、気付かないうちに落ちるのがコレ「絵を描くのは自分、ツールじゃない」ということ。私愛用のイラスタにSAI、あまりにもよさげなお絵かきツールが安価で手に入る時代。30超えに1万以下のツールは、衝動買いで買ってしまうこともありだ。
 
 そして、イカした絵を描こうと、一生懸命使い方を覚える。ネットでTIPSを探す。レイヤーモードを覚える。そしていつの間にか、「雲を描くにはこうする」「肌を塗るにはこうする」という自動方程式が出来上がる。それはそれでも良いのだが、絵を描く時に重要なのは、自動方程式のRUNボタンではなく、自分が「雲を描くんだ」という思いである。断じて精神論じゃないぞ。
 
 コレに気がつかないと、例えば描けないもの(描いたことがないもの)に出会ったとき、「OOの描き方」が無くては描けない状態に陥る。それに、最初に方程式を知った時に描いた物が表現のMAXだと思い込みがちなので、この方程式で描かれた物がさほどイケてないことになかなか気がつかない。だからそれ以上を求めない。上達しない。
 
 デッサン作法書ナドでよく言われる、「硬い物を描く時には、硬くなれ~硬くなれ~と念じながら描くといいよ」というのは、そこら辺のことを言わんとしているのかも知れない。言わんのばか。(うわ