後半、面白事件簿です。

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 AKBの人って楽器もできるんですね。すごいですね。「禁じられた遊び」で断念した私のギターはモーリスでした。ちなみに高校生のころです。皆様如何お過ごしですか。モーニングバードのたまちゃんが好きです。高石です。

 珍しく芸能ネタから入ってみたのは、先日、趣味の油彩画で行っているアトリエに、TVの撮影が入っていたからでス。地元のCATVみたいですが、絵を描きに来ている人に、なんかいろいろにインタビューしてました。そこで、番組の進行に合わせて、クイズや、アトリエ紹介をしていくのですが、驚いたのは、その紹介される場所の事実なんかどうでもいいということです。えっ!どういうこと!(CM)

 (CMあけ)番組の進行と現場の事実が違うとはどういうことか?番組側の質問「ここはどういうところですか?」という質問に対して、アトリエ側は「絵を描くところですよ」、と。でも番組側は、そんな回答は求めていなく、「絵を描くことはつまり、タマシイの休息が」とか「人とのつながりが」とか。なんじゃそりゃ。

 インタビューも、死ぬほど誘導尋問です。おばちゃんが「絵を描きにきています。楽しいです」と答えたあと、カメラは回ったまま、雑談をふるレポーター。後半、会話が砕けてきたところに「やはり人とのつながりなんかも……?」、で、おばちゃん「そうですね、人との会話も楽しいですね」と、ここの音声だけ使われます。先ほどの「このアトリエとは?」という問いにつなげて。レポーターのフリは全カットです。

 素人相手でも、最初から、台本ができてるんです。確かに、そうしないと撮影なんか終わんないんでしょうね。うちらは、番組の意図をお手伝いする無料のエキストラです。その後も、ふだん左脳をほぼ使わない美術の講師たち、簡単にテゴメにされておりました。よくわかりました。ああ、TVなんか全部出来レースで、情報番組とか言ったって出来の悪いドラマと変わんないんだと。

その後。 

事件は起きます。

 おばちゃん、私を指差して「この人漫画家さんなのよぉ」。おいおい、カメラ回ってるぞ。タイミング悪く、そのおばちゃんの娘さんに、ミジュマルを描いてあげていた真っ最中。やい娘、普段親に何言ってやがる。駆け寄るレポーター。廬山昇龍覇の構えで待つ私。

 さらに、その子のノートには、以前描いてあげたキュアレモネードが(胸とか超気を使って大きくならないように描いてます)。ノートを広げてカメラによっていく娘。再び私に向けられるマイク。さらに番組のキャラ(おっさん)を見せられ、ここでそのイラストを描けと。なんだよその公開処刑。

 質問するレポーター「ジャンプとかに載ったりとか?」 ジャンプの作家がこんなトコでのんきに油絵描いてるか。 「漫画家ではありません。イラストとかは趣味で描いているだけなんですよぉ」と言ったあと己の墓穴に気がつく。「えええ!?誰にも見せないでただ描いてるの?」とレポーター。当然「その歳で?プププ」という問いを飲み込んでいる。

 私の中に、いつもの葛藤がわいてきます。そもそも認知されていないだろう同人作家と言う言葉。されたとしても、どうしてもエロパロ、エロくなくても二次創作のイメージが付きまとう。かといって、この世界を知らない人に、そのあたりの区分け、オリジナルなんですよ~と説明することに、何の意味が。触手でエロですし。いずくんぞよくDL販売を説明するのに、どれだけの時間と言葉が。

 でも、もう慣れもしているわけですよ。私自身、特別な肩書きは望んでないし、私の得なければならないものは、かろうじで生きていける程度のお金ですから。なんと思われてもいいやと「僕、ダメ人間なんですアハハ」。 そうするとだいたい相手が「ああ、どっかの金持ちのバカ息子なんだろうな」的な回答に着地してくれるようで、以降何も聞いてきません。

 これが同人作家ですよね。社会的にカテゴライズされていないものに、誇りや、やりがいをもって生きていくことは、想像していたよりもハミ出し者感がそこはかとないです。でも、漫画家という職業にも憧れないし、人気イラストレーターとかでちやほやされたいとも思いません。むしろ日陰がお好みです。ただ、らばたの世界を作り続けたいのが私の願いで、それを見て下さる皆さんが居て。それで生きていければ何の不満が。

 で、思いっきりダンディに描いたおっさんキャラのイラストを渡し。TVで使っていいですか?と苦笑いのレポーター。使えるもんならつかってみろ。どうやって描き手を紹介するのか見てみたいわ。「漫画家(?)」から「ダメ人間(決定)」にジョブチェンジされた私への視線は明らかに違いますし。

 でも娘は大ウケ。コレです。みなさんには解るでしょ。コレなんですよ。やめらんないのが。はい。

 しかしながら、レポーターさんたちの番組制作にかける責任感みたいなものは、ものすごく感じました。おそらく殺人的スケジュールが毎日続いていることと思います。ああ、仕事って本来、こういうことを言うんだよな、と。すごいなって、思いましたよ。やっぱり、どう考えでも、私はぬるく生きています。

 事件と言っといて、自分ガタリに着地するとこなんか、いつものこの痛い感じ、健在でしょ。 次に生まれたときはもっと人のために頑張るので、今回は見逃してください。てへ。