作品を出すということ

100228s.jpg 実はワタクシ先日、ちいさなちいさな絵画展示会(?)になんと「マンガ」を出展したんです。一ページのみなんですけど。今日はそのときのお話です。

 お話の舞台はこんな感じなんです。時々この日誌にも書くのですが、私はとあるカルチャー教室のヌードクロッキーに参加させてもらっています。その教室で、小さな展示会をやろうということになったようなんです。で、サイズも限定の「B5以下」です。サムホールというキャンバスがちょうどB5なんで、この「小さな展示会」はよくカルチャーなどには開催されるパターンだそうです。

 出品者のほとんどが油彩の人で、あとは水彩、そして鉛筆やペン画などさまざまなのですが、やはり年齢層が高いので富士山だったり花瓶だったりと、いわゆるそのテの作品があつまります。で、私にもなんか出品してくださいとお達しが来ました。「サイズ以下なら何でもいい」というシバリだったのです。

 
 

 このカルチャーは普段子供絵画クラスが主なので、もちろん一般の方も入れますが、その展示会を見る人は子供の送り迎えの親御さんと、主に子供たちです。それでですね。その子供たちが花瓶の絵やら紅葉の風景画みても面白くないだろうなと思い、シバリが何でもいいのならマンガでもいいかなと思って、簡単なバトルモノを書いて出品しました。事務の人は、マンガでの参加は初めてだとびっくりしてましたケド。


 それでこないだその展示会場に書類なんかを渡しに行った時、その子供絵画教室の生徒さんでしょう、小学生のオトコノコ達が私の作品の前でなにやらうごめいて(?)るんです。なにやってんだろ、と私も遠目にみてたんです。したら事務の人が「あなたの作品のマンガのセリフを、みんなで声に出してああやってバトルのマネをしてるんですよ」と教えてくれました。

 ……あれなんだろこのキモチ……的な、私ははじめてのすごく不思議な気持ちを経験しました。嬉しいような、恥ずかしいような、いえ、かなり嬉しいんだと思います。でも、心の準備がまるで無いトコへの一撃に、私はそそくさと書類を提出してその場から逃げました。

 「花瓶ばっかりじゃ子供たちがつまらないだろうから」、という当初の目的はどうやら上手く行ったようですが、私だってそこまでホンキで評価を得たいとか、目立ちたいとかってつもりはなくてすごい軽い気持ちで出しちゃったので、なんか思わぬ出来事に正直たじろぎました。

 でも帰り道、だんだんうれしい気持ちになってきて、ひとりでヘラヘラしながら電車に乗ってました。何か賞を貰ったわけではないのに、というか多分、賞を貰うより嬉しいような気がします。貰ったこと無いのでわかんないですけど。

 これはマンガでも、小説も、何でもそうなのかもしれませんが、自分の作品をああやって楽しんでもらうということは、なんていい気分なんだろうって思いました。DLサンの作品でもお褒めの言葉をいだたけることがありますが、エロをやってると無意識に「エロだから買ってもらえているだけなんだ」と思ってしまっていて、どこか自分の力では無いように思えてしまいます。でも、ああ、俺なんかでも人を楽しませることが出来るんだ、って、ちょっと思いましたよ!

 あっと、挿絵の王妃さまなんすけど、久しぶりにイラストギャラリに彩色版上げておきました。更新なさ過ぎのイラストギャラリです。