月イチで世界をえがいて

091220.jpg 今朝、いつもの並木道を歩いていたら、土のトコに霜柱がたってました。おおお、見たの、何年ぶりだろう!去年の秋に10年以上の水商売生活をやめ、ただいまニート爆進中な高石です。以前までの、ちょうど仕事帰りの時間だから同じ時間帯のはずなのに、良く言えばなんか視野が広くなった、悪く言えば余計なものまで見えてくるようになってきたのかもしれません。

 さて、クリスマスウィークです!皆様いかがサイレンナイですか。私は幸せそうなカップル見つけてはピンポン玉でナックルボールをおみまいしてやっています(嘘よ)。10月の小説からこちら、なんとか毎月ペースで作品を出せていますが、今日はそんな製作のお話です。



 実は、今出せているのは、夏の頃には脚本の八割が出来ていたものが多いんです。うちの作品って、キレイな絵で見せるというより、どっちかっていうとシチュとか、そのモンスターとのからみ的なモノ珍しさ(←自分で言うか)で買ってくださっている方も多いと思うのですょ。なので、その脚本がかなりイノチになってきてしまうので、ラストとか展開がビミョーだったりすると、もう投げ出してしまい、作画に入らないってパターンが多いんです。

 その、特に納得できなかったケースというものがありまして。実は、私には以前から「続き物」でDL販売を展開したいなって夢があるんです。これは、DLさんが、「ただのエロパロのヌキ消費コンテンツ市場だけ」という存在ではなく、「素人でも面白ければ、対価を得て連載的なことが出来るすごい場所なんだ」ということを示してみたいんです。

 その連載お話ってのが、古株の常連の方はご存知かもしれませんが、以前私がチマチマ書き溜めていた「Twomoons」というお話がベースになる作品です。

 つまり、主人公達が旅をしながら、いろんなトコでやられちゃう、ってやつだったんです。でもエロものは続き物にするのがとにかく難しいです。ライトエロならまだしも、DL的なガッツリエロだと、ラストで主人公がドリャアアア!ってモンスター倒したら「ダメ」じゃないすか。それに毎回毎回、主人公達がヤラれまくって、次回にケロっとして出てくるのもどうかなとか。

 今年の頭、というか、もう何年も前からずっとなんすけど、どうやったら「買ってもらえるだけのエロ」を搭載し、さらに「物語としても面白いもの」を作れるかってすごい考えていて、いろいろお手本を探してみたんですけど、みつからなかったんです。でも、自分が買うときだって、エロにはそれほど深いストーリーを求めていませんし、エロ作品を買うときに「お話」が面白いかはどうかは決め手にならないから、やっぱスタイルとしてあまり良くないのかなとも思いました。

 かといって、お話ばっかりにコって、エロはおまけです的な方針ではお客さんを裏切る感じだし、どうすればいいんだろうって、ずっと悩んでました。その、途中で投げ出した脚本たちは、物語に出てくる主人公達は最後「あひぃぃにならない」のが、やっぱりヤだったんです。

 これはすごいジレンマでした。私は、そのキャラたちのアヒィイイをみたくてつくってるようなものなのに、そうすると次に、そのキャラの旅を続けさせることが出来ない。それに、そのキャラがいくらかっこいいことを言ったって「どうせ今回もヤられんだよな」のが完全にぬぐえないから、物語として自走しにくい気がするんです。

 「ラストには主人公がオチまくるエロを描きたい→でも旅は続けさせたい」。夢でちたパターンとか IFパターンも考えましたけど、そうしちゃうとやはりどこか、存在感が薄くなる気がして。
 
 ……あっと、高石得意の日誌大脱線になるところでした。その書き溜めた脚本たちは、ほとんどが旅の途中に起こる出来事です。だいたい最後はそうやって、キャラたちがモンスターを倒してピンチを脱出、めでたしめでたしになります。蟲使いの小説で、美歩が元気に生還してるのはそんな名残なんです。でもあれは文字だけって割り切ったおかげで、「ラストのアヘ顔期待」を吹っ切れたからこその例です。(あの作品で下さった皆さんのコメントの数々は、その後の私を大きく前へ進ませてくださいました。本当に有難うございました)


 他にも「女神官~」のエイネは、その旅の物語の途中で登場するキャラなんですけど、すごいいい子で、あんなに淫乱じゃありません。その淫乱じゃないのは、私は知っていますけど、皆さんは当然知らないわけで、いい子が乱れるこその興奮は伝わらないことになってしまいます。

 でも、先日の同人誌のサリアは、その旅のお話の中とは少し違います。同人誌はすべてシルクタッセルという南の都市に住む女の子達のお話を書いていて、DLサンの主な販売作品は北のエスタリカという街を中心に書いています。美歩や朋美たちもエスタリカに住んでいます。そしてこれらの情報は、お客さんが知れる方法もないのです。

 以前、コメントでも戴きました「キャラをもっときちんと描いてくれ」というご意見です。お客さんのほうでは知ろうと努力してくださってるのに、私がぜんぜん表現できていないのは、なんとも情けない限りです。

 ここでようやく日誌の冒頭に戻るのですが、出来る限り月イチペースでやってみようと思っているんです。ウチはやっぱり世界だから、一番必要なのは情報量なんじゃないかと。高価な大作じゃなくていいから、もっと手軽に買える、安価で、皆さんにもっとちょこちょこ知ってもらえるような。その物語として、ラルが戦死したからハモンが復讐、みたいにがっちり繋がらなくても、その小さめのエピソード作品をきちんと「定期的に」出し続けることで「物語」を感じさせることは出来るんじゃないかと。

 ぬっちゃけ、製作には膨大な時間を費やしますから、対価という点も無視できるわけではありません。今までは安価作連打は、効率面で考えるとナニゲに良くないこともあり、いまいちノリきれてなかったんです。でも、それよりも何よりも、ウチは世界の空気みたいなものを知ってもらえなければ、サークル価値はゼロだなぁと改めて最近思います。

 ゼロは。ゼロはイヤなので、頑張ります。次はまたFlashの例のスタイルになる予定ですが、絵とかはもうほとんど出来てるのに新しくしたシステムでてこずってます。今年中……ううん、どうかな、いけるかな……詳細またお伝えさせていただきます。なるべく、今までの迷いの締めと、来年への旅立ちの意味も込めて、ウチの看板娘にまた脱いで戴こうと思っています。他のサイトさんと比べて、看板娘の割りに地味な美歩ですが、もうしばらく可愛がってやってください。どうぞよろしくお願いします。

 2009もラスト10日です。頑張りましょう!