こないだ、ネットのニュースで富野さん(ガンダム作ったヒトのひとりだそうです)の記事を読みました。私はこのくそジジい(←最敬称)大好きで、ガンダム作ったからって訳じゃなく一人のオトナとして、きちんと「オトナをしようとしている」って言えばいいのでしょうか、若い世代に何とかして伝えよう、伝えよう、おまえらこんなんじゃダメ(←彼自身も含めての台詞です)だってのがほとばしってる具合が好きなんです。
その記事の中に「脳みそを使わないと、死んじゃうぞ」ってのがありまして、これは、それほどひと段落を象徴するような言葉ではなく、話の流れとして出てきたもののようですが、私にとってはコレ、すごく重要な意味を持ちました。私はいつも、「どうやったら脳みそを使わないシステムを作れるか」ばかりを考えていたからです。
脳みそを使わないシステム、つまり、いい言葉で言えば「マニュアル」です。作業をルーチン化し、材料をほうりこめば、何かが出てくる。大量生産に向けて、均一の質を保ちながら、自分はその中のひとつの部品となることです。
コレを考えて、自分に実行させることが、自分の作品の質を保つ意味でも重要だと思っていました。でも、もしコレが完成してしまったら、私の脳みそはその時点から死んでいくことになります。
ヤッターマンや水戸黄門、ある程度パターンがある物語を、私は嫌いではありません。見ていて安心するからです。でも、私は作り手として、最初からパターンルーチンの物語を作ろうとする部分は否めません。もちろん、エロは大きく別けたらパターンですし、物語も「クライマックスが後半にある」というパターンには属しています。
でも、こういうの、ほんとは安易にやっちゃダメですよね。なんでクライマックスが後半にあるのか、後半にあって、盛り上がって終わるのが、何で「良い」のか。それがどうして、自分の作品に当てはまるのか。今までも、毎回毎回考えてきました。だから、あんなにヘタクソな絵でも、次の作品を出すのにこんな時間がかかります。誰かがお話しと絵の指定くれたらたぶん半月かかんないすよ(まあ、あのクオリティじゃあねぇ)。
で、この考える時間がすごく辛くて、とにかく早くルーチンベースに乗せたかったのです。OOページでエロ突入して、ここでヒロインがこうなって・・・と。でも出来ませんでした。今回そのパターンが使えても次回にはだいたい使えなくなるからです。私は、そういう物語の類型的な構成能力が低いんだなって実は凹んでいたこともあります。
でも、富野御大が、前のを利用しようとするな、考えるベキであるんだ、とおっしゃってくれたのは、今までの自分のやってきたことを肯定されたような気がして、嬉しかったです。私もジジイになったら胸をはって、若いヤツラに何か気の効いた事をいえるような大人になりたいデス☆
でも、そのためにはまず、何かを成さなければいけません。
よ。