便利なデジタルは、人と人の間に関所を作ってるのかな

 「マイピクになってください」とか、言うのは簡単ではないと思う。もっと言えば「友達になってください」とか、見ず知らずの人に言うのって、誰にでもできることではないと思う。似たようなのでMixiもある。あれだけ交流のためのツールが揃っていても、実際その交流には問題がある。

 
 こんなことを思ったのは、MixiやPixivのように、人が集まる場所がものすごい人気になるのに、実際それはお互いのドッチボールで、言いっぱなしの掃き溜めになってるのはなんでだろうと思ったから。これなら2chでもあまり変わらないのに、その「交流できるかもしれない」という部分が、人気を集めているのは、かなりあると思う。そもそも キャッチボールのような「交流」のカタチ自体、明確なケーススタディが実にすくない。キャッチボールがしたくても、何を見て投げればいいのか解らないと思う。
 
 「マイミクにOKです!」と書かれているヒトにも、実際マイミク申請を出すのに直結はしない。その人のことをプロフィールぐらいでしか知らないから。そこに多少自分も共感できることが書かれていたとしても、このヒトともっと話したい、って思うまでには、まず行かない。
 
 「マイミク」・「マイピク」等を、コレクションのフィギュア程度に考えるならば、片っ端からあさることもできるだろうけど、幸い、日本人にはそういう考えの人はまだ少数派のようだ。だから、友達申請した以上、友達であらんとするから、初期行動が鈍るのではないか。
 
 「友達であろうとする」の、「友達」。誰もが、よい印象を圧倒的に強く持つ感情で、叱咤してくれるような、ともすればマイナスイメージを包括するものであることを知るには、大人にならないと難しいだろう。それに、「知り合い」レベルでも、最低複数回以上何らかの行動やアクションを共にしないと、その感情は芽生えづらいと思う。でも、ここはとりあえず広義の友達というコトバで考えよ。
 
 とするなら、相手のパーツに共感できる部分を見つけても、友達にはなりづらい。この「複数回接触以上で友達」の考え方は、きっとお国柄もあるのだろうけど、日本は初対面のヒトといきなり砕けるのを失礼とする文化があるからかなとも思う。ましてや結婚は職場で、友達は会社の中にしか居ない、的な状況に陥りやすい国なのだ。
 
 ならば、ネット上で「友達づくり」は、まず申請ツールを充実するよりも先に、「一緒になんかやる」環境を作ってやるべきだ。友達未満で、お互いのパフォーマンスを披露する時間。ただ、オンラインRPGにありがちな、人間を「役割」と割り切ってしまうなら、もとより、「友達」 考察の範疇外になる。それがPixivで言う「絵」なのだろうが、人と人の間に「絵」をはさむと、やりやすい反面、これは芸能人とファンの関係みたいな物で、踏み越えるのに余計に壁を作ってしまうことさえある。でも、うわっつら知り合いにはもってこいだ。
 
 現実ではどうだろう。わが国では「友達を作る」コトに対して、間違った方法論が大勢を占めていると思う。会社の同僚と友達は同じなのだろうか? なのに、「友達がいないと人として欠陥があるように」思われるように感じる。
 
 駅で突然「やあ、今日はいい天気ですね」って話しかけてきた人がいたら、ヘンナヒトと思う。でも「あの、すみません、いま時間解りますか?時計を忘れてしまって」って言われたら、普通に応えられる。このあと、この二人は、多分別れる。お互いに忙しすぎるからだ。ここで友達になりましょう、って言ったら絶対おかしい。
 
 でも、次の日に、また違う場所で偶然、その人が時間を聞いてきたら、少し笑い合えると思う。そしたら私だったら、お茶ぐらい一緒にしても、悪くないかもって思う。
 
 
■ 際限ないので、一回まとめよう。
 
・ネット上で、いきなり友達になりましょう、ってのは事実上、友達ではなく、不可能に近いと思う。何か別の言葉にするべきだ。「マイミク」とか「自分のOO」のような友達を連想する仲間じゃなく、クラスとか、同期とか、自分の意志とは別の何かに強制されたもの的なイメージのほうが、日本人には扱いやすいかもしれない。
・複数回の接触の方が、親近感を覚えるようだ。
・偶然と強制があると、俄然、人同士の距離は近づく。
 
・ そもそも、この考えを書きとめておこうと思ったのは……、 
 
「 pixivやmixiで、「マイピク募集!」などの、交流を求めているのを見た → でもそれは、きっとキミが思ってるような物ではないよ、相手はいやな面も持っているよ → 「理想の友達」からスタートするから、引き算になる。でも、こういうシステムのその欠点について、若い子はほとんど気がつかないんじゃないだろうか → そこで自分は「友達ができない」=「欠陥がある」と、凹むんじゃないだろうか? → そうじゃないよ、今の大人たちさえも、友達の作り方ついて解ってないんだよ、同僚とクラスメートしか知らないんだよ → 結局、何が私の気に触ったのだ?。。。→ あ、そうそう、「こんなシステムが、人と人の交流の形なんて思わないでくれ」ってことだ。 では、オレの答えは? →  同じ物に熱くなれればいい。その入り口までは、Pixivとかができてる。そのあとの「時間の共有」ってとこが抜けて、マイピク申請ってカタチになってるんだ、
 
 
 
 
 
 
ふふふ こんなのチラシにでも書いとけと。
でも無くしちゃうんだもん。