この世界では、食べ物を作ったり、モノを売ったりという一般的な生活に加え、「冒険者」という生活手段があります。冒険者の一番の収入源は「クエスト」です。森に覆われた遺跡や洞窟の探検をし、過去の魔法文明の遺産を持ち帰ることで、多額のお金と経験を得ることが出来ます。
もうひとつは「狩り」です。モンスター達の落とすアイテム「ドロップ品」を目当てに、森へ入り、モンスター達と戦います。モンスター達は、お金や、高価なアイテム、そしてもっとも重要な「ルーン・ジェム(ルーン石)」を落とすことがあるのです。
ルーン・ジェムとは、古代遺跡や、モンスターのドロップによって手に入れることが出来ます。
この石を身につけることで、魔法が使えたり、女性の筋肉では持ち上げられないような重い武器を振り回すことが出来るようになります。
男にたよれなくなった女たちは、ルーン・ジェムを使いこなすことで、自分たちが生きていく道を切り開いたのです。そして、どうやらルーン・ジェムの力は、女にしか使えないようなのです。
女達が、様々な冒険や勉強を積んで、自分の中に蓄積していく経験値だといわれています。このマナをたくさん積むことで、自分の職業のレベルを上げていきます。
そしてこのマナは、自分の使用するルーンストーンと密接に関わっており、マナを溜めて自分のレベルが上がれば、より強力な魔法や武器を使うことが出来ます。
しかし、マナは、性的快楽を受けると、体から失われてしまうのです。体表から汗になって気化したり、唾液や、体液に含まれて体外へ放出されてしまいます。
また、性的絶頂(イく状態です)に陥ることで、大量のマナを失います。そして、大量にマナを失い続けてしまえば、当然、レベルダウンの危険性も……。
そして他にも、この世界で生きる女には悲しい性があるのです。
いくらかの知性を持ち、種族によっては社会をもっていたり、言語を操るものも居ます。
獣人族は、先の戦争で、人間族に敗れたため、現在はモンスターと同様、森などに隠れ住んでいます。
獣人族にはメスがおらず、すべてがオスです。なので、繁殖には、人間などのメスの居る種族の胎内を利用します。このために、獣人たちは常に女を「飼って」おく必要があるのです。
もともと獣人たちにアライアンス(集団で戦う組織)を作る能力がないことや、ルーン・ジェム技術の発展や冒険者の増加により、現在は、人間族が優勢となっています。なので、獣人たちは森でひっそり暮らしています。しかし彼らの過去の栄光である、獣人たちが絶対上位の世界「獣人支配」を再興しようと、チャンスをうかがっているのではないかといわれています。
このように現在は、人間、特に女性にとってはもっともの脅威である獣人たちはなりをひそめ、モンスターを狩る必要はあるものの、常時交戦中ではない生活をしていける状態は、「平和な状態」と呼べるのかもしれません。
しかし、数少ない男たちが、安全な防壁に囲まれた場所で毎日遊んで暮らしているその裏で、女たちは今日も、生きていくために、危険に挑んでいるのです。
そんな世界にときおり、「異世界」からやってくる者があります。歴史上でも何度かそれは現れたといいます。伝承によれば、異世界からの来訪者「アンフラマンス」は、このラーバタス界には存在しないルーン・ジェムを持ち、この世界に闇が訪れた時、絶大な力を誇り、人々を導いていくとされています。
しかし。平和が続いているこの世界で、女たちにとって必要なのは「救世主」なんかじゃなくて「生活費」です。みんな、世界を救う救世主のことなんか、もう忘れてしまっているようです。
(作品内で語られる「現在」とはこの世界の暦で、E.C.1245年のことです)
作品では、こんな世界で生きていく女たちを、えがいています。
最終更新日:170607